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「彼女はうちのお弁当をよく買いに来てくれるお客様なの」
「ああ、そうだったのね...」
店主はなるほどと言った様子で頷く。
「あっ、この人はね、高校時代の同級生なのよ」
弁当屋の女性は、そう言って隣の美容師を紹介した。
「彼女は持田沙織さん! で、私が樋口美羽です」
「三船華子です」
「華子さんね! もしかして年齢も近いわよね。おいくつ?」
「27です」
「私達の方が上だわぁ~。私達は30よ!」
「あ、先輩だった!」
華子がおどけた調子で言うと、二人は声を上げて笑う。
そこからは一気に打ち解けた。
美羽の話によると、この美容院の二階は、店主の沙織の自宅になっているそうだ。
元々この家は沙織の祖母の家で、
そこを改装して美容院として使っているらしい。
二階には三部屋あり、そのうちの一部屋を
美羽が借り、沙織と一緒に住んでいるらしい。
シェアハウスのような感じだろうか?
同級生同士なので、気兼ねなく暮らしていると言った。
「なんだか楽しそうですね...」
「腐れ縁だからねぇ...でも時々喧嘩もするわよ」
と沙織が言った。
「そうなんですか?」
「そうそう。お互い頑固だから引かないよねー!」
美羽はそう言って笑う。
「お互い仕事の種類は違うけれど、目指すものは一緒だから...あ、目指すっていうのは、自分の店を持つって事ね! だから、そういう意味では、お互いいい刺激になっているのよ」
沙織がそう言うと、美羽が突っ込みを入れる。
「沙織はもう自分のお店を持ってるじゃーん!」
美羽は羨ましそうに言う。
「ここはおばあちゃんの家だもの...ただラッキーだっただけよ!」
そこで華子が聞いた。
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