3678人が本棚に入れています
本棚に追加
/348ページ
「もしかしてリフォームはご自分で?」
「ええ。水回りなど大工さんの手が必要な場所はもちろん頼んだわ。でも費用を抑える為に、やれるところはなるべく自分でね!」
「そうなんですねぇ...それにしてもすごいわ! とっても素敵なお店ですもの!」
「ありがとう! そうい言っていただけると頑張った甲斐があるわぁ」
沙織は嬉しそうに言った。
その時、美羽が口を挟んでくる。
「ちょっとぉ、お喋りばかりしていたらまずいんじゃない? 次の予約の人が来ちゃうわよ!」
「あっ、そうだった!」
沙織はそう言ってペロッと舌を出す。
「えっと、今日はカットでしたよね?」
「はい、お願いします」
「では、こちらへどうぞ! お荷物はその脇のカゴを使って下さい」
華子は鏡の前まで移動すると、荷物を置いて椅子に座る。
その時、美羽が言った。
「そうだ! 三船さんはこのあと予定ってあるの?」
華子は不思議そうな顔をして答えた。
「いえ...帰りに買い物しようかなーってくらいで...」
「じゃあちょうど良かったわ! カットが終わったら、沙織と一緒に二階へいらっしゃいよ! カットが終わる頃にはパスタを用意しておくから! 三人で一緒に食べましょうよ!」
「それはいいわね! 是非是非!」
沙織も乗り気で華子を誘う。
「えっ...でも......」
「大丈夫よ、お金は取らないから安心して!」
美羽が笑いながら言うと、沙織が突っ込む。
「美羽はしっかり者だから、てっきり取るかと思ってた!」
「変な事言わないでよーっ! 取る訳ないでしょう? プライベートなのよ!」
そんな二人の楽しいやりとりを微笑んで見ていた華子は、
美羽の申し出を受けようかどうしようか悩んでいた。
最初のコメントを投稿しよう!