21

15/17

3678人が本棚に入れています
本棚に追加
/348ページ
「もしかしてリフォームはご自分で?」 「ええ。水回りなど大工さんの手が必要な場所はもちろん頼んだわ。でも費用を抑える為に、やれるところはなるべく自分でね!」 「そうなんですねぇ...それにしてもすごいわ! とっても素敵なお店ですもの!」 「ありがとう! そうい言っていただけると頑張った甲斐があるわぁ」 沙織は嬉しそうに言った。 その時、美羽が口を挟んでくる。 「ちょっとぉ、お喋りばかりしていたらまずいんじゃない? 次の予約の人が来ちゃうわよ!」 「あっ、そうだった!」 沙織はそう言ってペロッと舌を出す。 「えっと、今日はカットでしたよね?」 「はい、お願いします」 「では、こちらへどうぞ! お荷物はその脇のカゴを使って下さい」 華子は鏡の前まで移動すると、荷物を置いて椅子に座る。 その時、美羽が言った。 「そうだ! 三船さんはこのあと予定ってあるの?」 華子は不思議そうな顔をして答えた。 「いえ...帰りに買い物しようかなーってくらいで...」 「じゃあちょうど良かったわ! カットが終わったら、沙織と一緒に二階へいらっしゃいよ! カットが終わる頃にはパスタを用意しておくから! 三人で一緒に食べましょうよ!」 「それはいいわね! 是非是非!」 沙織も乗り気で華子を誘う。 「えっ...でも......」 「大丈夫よ、お金は取らないから安心して!」 美羽が笑いながら言うと、沙織が突っ込む。 「美羽はしっかり者だから、てっきり取るかと思ってた!」 「変な事言わないでよーっ! 取る訳ないでしょう? プライベートなのよ!」 そんな二人の楽しいやりとりを微笑んで見ていた華子は、 美羽の申し出を受けようかどうしようか悩んでいた。
/348ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3678人が本棚に入れています
本棚に追加