華子の初恋

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「じゃあね、歳は？」

「44よ」

「うわーっ！　大人の男性じゃないっ！　どこで知り合ったの？」

その質問に華子はドキッとする。
まさか本当の事は言えない...
だから、以前陸が後輩の杉田に言っていたのを真似して言った。

「彼の店に飲みに行って知り合ったの...」

それを聞いた二人は、顔を見合わせてから同時に言った。

「「お店の経営者なのね！」」

「うん、まあそんな感じ！」

「へぇ～、何のお店をやっているの？」

「カフェとかバーとか色々みたい」

「うわ～店長とかじゃなくて実業家っぽいんだ！　素敵！　歳が離れているから、優しいんじゃない？」

その質問を聞いて、華子は考える。
確かに陸は、華子に対しては優し過ぎるほどだ。

「ええ、優しいと思うわ...」

「「キャーッ！　ご馳走様ーっ！」」

そこからは、女子三人での恋バナ大会が始まる。

華子が陸と知り合ったのはつい最近で、もう結婚の話が出ていると言うと、
二人は大興奮した。

沙織が、結婚は付き合っている期間じゃないのねーと納得した様子だった。
なぜなら、沙織は去年、10年付き合っていた恋人と別れたからだ。

10年付き合っても結婚に繋がらない事もある。
沙織は、結婚の可能性がない男とは縁を切ると言って、
きっぱりとその男性に別れを告げたらしい。
そして、今は二歳年下の、同じ美容師の男性と付き合っていると言った。

そこから今度は、年下男性の話で盛り上がる。