22

7/17

3681人が本棚に入れています
本棚に追加
/348ページ
『これが恋バナっていうやつなのね。女性同士で話すのって楽しい!』 華子はこの歳にして女友達の良さを知る。 なぜ今まで、こんな楽しい事をしてこなかったのだろう? 華子はそんな自分を恨んだ。 食事を終えると、美羽がコーヒーを入れてくれた。 そして今度は、甘い物とコーヒーでお喋りを続けていると、 あっという間に午後の二時になってしまった。 「あっ、もう時間だわ! お店を開けなくちゃ!」 沙織はそう言って、食器を片付け始める。 華子も一緒に、皿をカウンターへ運んだ。 「あ、二人ともいいわよ、食洗機に突っ込むだけだから、あとはやっておくわ」 と、美羽が言う。 「すみません、じゃあお願いします! 今日はとっても美味しいランチをご馳走様でした。つい長居してしまって..」 「気にしないで! 私もとっても楽しかったわ! また是非三人でお喋りしましょうよ!」 そう沙織が言うと、美羽も言う。 「ほんとほんと、華子さんと話すの楽しかったわ! 新しい素敵な友達が出来て、私達も嬉しいわ! ねっ! 沙織っ!」 「うん。このご縁は大切にしなくちゃね!」 『今、友達って言ってくれた?』 二人の言葉を聞いて、思わず胸がいっぱいになる。 そして目頭がジーンと熱くなったが、華子はなんとかこらえた。 「私も、お二人とお友達になれて嬉しいです! 是非これからもよろしくお願いします!」 華子がそう言って丁寧にお辞儀をすると、 「やだー華子さん、改まっちゃって! もっと気楽に気楽に...」 美羽がそう言って笑った。 それから華子は、二人と連絡先を交換してから美容院を後にした。
/348ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3681人が本棚に入れています
本棚に追加