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『今まではピンク色が好きだったはずなのに...なんで黄色に惹かれるんだろう?』
華子はそう思いながら、マグカップを手に取ってみる。
ぽってりとした少しいびつで愛嬌のあるマグカップは、
華子の手にしっくりと馴染んだ。
『可愛い...それに軽くて持ちやすいわ』
華子はすぐに気に入った。
今、陸の家で使っているマグカップは、
白い無地のシンプルなマグカップだった。
それが少し味気ないと思っていた華子は、これを買って使う事にする。
ふと、隣に目をやると、
レモン柄のマグカップと同じシリーズの、
リーフ柄のマグカップがあった。
大きさと形は、レモン柄のカップと同じで、
柄だけが違う。
リーフ柄のグリーンの色合いは、少し渋めの緑色で、
それを見た華子はピンと来た。
『自衛隊の迷彩柄の色?』
そこで思わずフフッと笑う。
『そう言えば、自衛隊の人がヘルメットに葉っぱがついた枝を挿して訓練をしていたのをテレビで見たわ!』
そこで華子はまた微笑む。
『このカップは陸にぴったりね! そうだわ! 今度お給料が出るから、これを陸にプレゼントしよう! 色々してもらったお礼に...』
とりあえず、今日の代金は陸からのお金で立て替えておき、
後日清算する事にした。
華子は更に、レモン柄の鍋掴みと、小花柄の可愛らしいエプロンを見つけたので、それも購入した。
こうやって、キッチンに少しずつ自分のお気に入りを増やしていこう...
華子はそう思っていた。
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