22

15/17

3679人が本棚に入れています
本棚に追加
/348ページ
翌朝、鳥の声で目覚めた。 あの後、華子はソファーで愛され、 そして、ベッドへ抱き抱えられて行ってから、 もう一度たっぷりと愛された。 これ以上ないというくらいに、熱烈な時間を共に過ごした。 そして行為の後は、ぐっすりと朝まで熟睡した。 そのお陰で、今朝の華子は身も心も充分過ぎるほどに満たされていた。 今日は二人ともギリギリまで寝ていたので、 トーストとコーヒーだけの簡単な朝食にする。 二人で食事をしていると、華子のスマホが鳴った。 見ると祖母からだった。 陸が、「出たら?」という顔をしたので、 華子はその場で電話を受けた。 「もしもしおばあちゃん? 久しぶりね、うん元気よ、うん、うん、心配しなくても大丈夫よ。あ、そう? わかったわ。じゃあ今度の日曜日ね! はい、じゃあね、バイバイ」 華子はそう言って電話を切った。 「おばあさんから?」 「うん、今度の日曜日にいらっしゃいって。陸はその日大丈夫?」 「もちろん!」 陸は穏やかに微笑んで言った。 そして二人は、次の日曜日に祖父母へ会いに行く事になった。 「昨夜のアップルパイをお土産に買って行こうかしら?」 「いいんじゃないか? 当日店に寄ってから行こう」 陸がそう言ってくれたので、 華子はにっこりしてから、残りのトーストを食べ始めた。
/348ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3679人が本棚に入れています
本棚に追加