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「睦子さん、さすが! じゃあ教えて欲しいんだけれど、ああいうしつこい人にはどう対処したらいいのかしら?」
「ああいうタイプは、女を常に下に見ているのよ。だから、相手が女だけだと強気に出るのよね! 本当だったら、陸さんに会わせちゃった方がいいかもしれないわね! そうしたら、きっと尻尾を巻いて逃げ出すわよ! フフッ!」
睦子はそう言って笑った。
「そうなのかしら...でもあの人いつ来るかもわからないし、陸だって毎日ここにいる訳じゃないし...」
華子はそう言ってハァーッとため息をつく。
そんな華子の肩を、睦子は安心させるようにポンポンと叩いた。
「大丈夫よ! 本当に困ったら、陸さんがちゃんと対処してくれるから! あの人はそういう男よ!」
睦子はそう言うと、華子を安心させるように微笑んだ。
その言葉で、華子は少し落ち着きを取り戻す。
パートの野村が一足先に帰った後、
華子と睦子で閉店準備を終えた。
その後、ロッカーで睦子と別れてから、
華子は最後にロッカールームを出る。
厨房に来ていた本間と、少し談笑をしてから、
華子は出口へ向かった。
店のドアを出ると、
「華子っ!」
と、華子を呼ぶ声が聞こえた。
その声を聞いた瞬間、華子に寒気が走る。
振り向くと、重森が微笑んで立っていた。
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