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その後二人は大野と別れて、陸の車が停めてある駐車場へ向かった。
華子はまだ陸の手をしっかりと握っていた。
いつもとは違う華子に気づいた陸が、聞いた。
「大丈夫か?」
「うん......」
「間一髪だったな......」
「陸、カッコ良かったわ...本当にボールペン一本で人をやっつけちゃいそう...」
「ハハハ、あれは軍隊格闘技だから普段は使えないよ。危険過ぎる...」
陸はそう言って笑った。
華子は思った。
先ほどの陸は、まさにスーパーマンだった。
幼い頃漫画やアニメで見た、ヒロインを助けに来てくれる、
まさにヒーローだった。
陸が重森の腕を拘束した時の動きはとても素早く、
まるで陸の自衛隊時代の面影を見たような気がした。
『陸は本当に強かったんだ......』
華子がそう思うと、胸がキュンと疼く。
私はこの人をもう離さない...もう離せない.......
そう思いながら、華子はギュッと陸の手を握りしめる。
それに気づいた陸も、華子の手をギュッと握り返してくれた。
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