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「あなたに指図をされる覚えはないわ!」 「いや、俺は指図する権利がある。君の命を救ったんだからな」 男はそう言ってニヤリと笑った。 「とにかく、俺が命懸けで救った命が、また自殺を図ってあっさり死んだら、俺の努力は台無しだ。それだけは勘弁してくれ! 悪いようにはしないから、俺の言う通りにしろ!」 自信あり気に言う陸の様子を、華子は無言で見つめる。 華子は挑発的な陸と話をしているうちに、 いつもの調子が戻ってきた。 そして、華子は陸の事を改めて観察し始める。 身長が高く、体格の良い陸の容姿を見て、 何かスポーツをやっているのだろうか? そう華子は思った。 とにかくここまでガッチリ鍛え上げられた見事な肉体は、 今まで見た事がない。 話し方は常に上から目線だが、 シンプルな語り口からは、聡明さが見え隠れする。 『この男は一体何者?』 華子はそう思いながら次に陸の顔を観察し始めた。 顔は端正な顔立ちのあっさり系のイケメンだ。 重森のような今風シティ派のイケメンとは異なり、 ワイルドな魅力溢れるイケメンといったところだろうか。 とにかく、華子にとっては初めて見るタイプだった。
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