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祖父母の家に行った翌日から、
陸は華子の父親を探し始めた。
高津に紹介してもらった興信所で、すぐに調査を開始してもらう。
華子の祖母からの有力な情報が多数あった為、
華子の父親の居場所はすぐに見つかった。
興信所へ依頼してから二週間後に、
父・慶太の居場所が明らかになった。
陸は仕事から帰って来ると、すぐに華子に報告した。
「華子、お父さんの居場所が分かったぞ!」
「えっ? もう?」
「ああ、お父さんは今もまだ北海道にいるよ」
「......」
「行ってみるか?」
「......えっ、でも新しいご家族とかいたら迷惑かもしれないわ......」
「ハハッ、その心配はないよ...お父さんは華子と離れてからずっと独身だ」
「........!」
華子の瞳が霞み始める。
最近どうも涙腺が弱くて困る。
溢れそうになる涙をこらえながら、華子は言った。
「陸、行きたい! 私、お父さんに会いに行きたいわ!」
「わかった。俺も一緒に行くよ。来週行けるように日程を調整するよ」
「うん...ありがとう...陸! 本当にありがとう!」
華子はそう言うと、陸の腕の中に思い切り飛び込んだ。
いきなり抱きついてきた華子の事を、
陸は愛おしそうにしっかりと抱き締めた。
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