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途中、道路沿いに可愛らしい建物が見えて来た。
どうやらレストランのようだ。
「少し遅くなったけど、ここで昼飯を食べて行くか!」
「うん!」
華子は頷くと、そのペパーミントグリーンの可愛らしい外観に
目を奪われた。
店に入ると、店内にはシチューの良い香りが漂っている。
この店は、洋食レストランのようだ。
裏庭に面した部分に、ウッドデッキがあり、
そこにも客席があるようだ。
「外の席で食べたいわ!」
華子がリクエストをすると、
スタッフは笑顔でテラス席へ案内してくれた。
このレストランは森に囲まれていて、
木々の葉がサワサワと揺れる音や、
鳥の鳴き声が聞こえて来た。
遅い春を迎えたばかりの北海道のこの季節は、
爽やかでとても気持ちが良い。
二人は、この店のお薦めであるシチューセットを注文した。
「なんかこんなに可愛らしいお店に陸といる事が、信じられない!」
華子はそう言って愉快そうに笑う。
それからスマホを取り出すと、可愛い店を背景に、
陸の写真を一枚撮った。
「おいおい...俺を撮っても意味ないだろう?」
「ううん、いいの。後でおばあちゃんに送ってあげるんだから」
華子は満面の笑みで言った。
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