3684人が本棚に入れています
本棚に追加
先日陸と実家に行って以来、
華子は祖母と頻繁に連絡を取り合うようになっていた。
【北海道に行ったら、写真を送って頂戴】
祖母からは、そんなリクエストが来ていたので、
華子はとりあえず陸の写真をカメラに収めた。
すると、陸が華子のスマホを取り上げてから、
「華子の写真の方が、おばあさんは喜ぶと思うぞ!」
そう言うと、華子の写真を何枚か撮ってくれた。
森をバックにテラス席で微笑む華子は、
まるで天使のように愛らしかった。
『可愛いな...』
陸は心の中でそう呟くと、
おすましをしてポーズを取っている華子を、
何枚も写真に収めた。
そこへ、注文したシチューセットが運ばれて来た。
料理を運んで来たスタッフが笑顔で言う。
「お二人ご一緒に、お撮りしましょうか?」
親切にそう申し出てくれたので、
お言葉に甘えてツーショットの写真を撮ってもらった。
華子はすぐにそれを、祖母へ送った。
それから、二人は美味しそうなシチューを
ゆっくりと食べ始めた。
大自然の中で食べるシチューは、今まで食べたシチューの中で
一番美味しく感じられた。
最初のコメントを投稿しよう!