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先日陸と実家に行って以来、 華子は祖母と頻繁に連絡を取り合うようになっていた。 【北海道に行ったら、写真を送って頂戴】 祖母からは、そんなリクエストが来ていたので、 華子はとりあえず陸の写真をカメラに収めた。 すると、陸が華子のスマホを取り上げてから、 「華子の写真の方が、おばあさんは喜ぶと思うぞ!」 そう言うと、華子の写真を何枚か撮ってくれた。 森をバックにテラス席で微笑む華子は、 まるで天使のように愛らしかった。 『可愛いな...』 陸は心の中でそう呟くと、 おすましをしてポーズを取っている華子を、 何枚も写真に収めた。 そこへ、注文したシチューセットが運ばれて来た。 料理を運んで来たスタッフが笑顔で言う。 「お二人ご一緒に、お撮りしましょうか?」 親切にそう申し出てくれたので、 お言葉に甘えてツーショットの写真を撮ってもらった。 華子はすぐにそれを、祖母へ送った。 それから、二人は美味しそうなシチューを ゆっくりと食べ始めた。 大自然の中で食べるシチューは、今まで食べたシチューの中で 一番美味しく感じられた。
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