3683人が本棚に入れています
本棚に追加
25
食事を終えた二人は、
いよいよ華子の父がいるロッジへ向かう事にする。
「緊張してる?」
「うん...ちょっとね...」」
「そりゃそうだよな...でも大丈夫だ、俺がついてる...」
「うん、ありがと...」
華子はそう言ってから続けた。
「生き別れた親子が久しぶりに再会するって、なんかついテレビドラマのようなシーンを思い浮かべちゃうけれど、現実は意外とあっけないのかなぁなんて思ったりしてね...もしかしたら娘の事なんてとっくに忘れていて、『どちら様ですか?』なんて言われるかもしれないし? だから過度な期待はしないようにって思ってるわ」
「そうだな...まあ、こっちがいきなり訪ねて行く訳だから、お父さんの立場からしたらかなりびっくりするかもしれないね。その辺の事も考慮しておくのは正解だな。まぁ、もし最悪の事態になったとしても、その時は札幌にでも宿を取り直せばいいから、あまり細かい事は心配するな!」
「ん...陸、ありがとう...」
華子は陸の言葉を聞いて、少し肩の力が抜けたようだった。
間もなくロッジの看板が見えてきた。
陸は減速して左折のウィンカーを出すと、
ロッジの駐車場へと入って行った。
最初のコメントを投稿しよう!