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チェックインの時間は過ぎていたので、 二人は荷物を持って、ロッジへ向かう。 ログハウス造りの建物へ入ると、 吹き抜けになった解放感溢れるロビーが現れた。 外の素朴なイメージとは違い、 ロッジ内はシンプルかつ上品で、高級感溢れる落ち着いたイメージだった。 フロントでは、数組の客がチェックインの手続きをしている。 彼らの手続きが終わるまで、 しばらくソファーに座って待つ事にした。 二人がソファーに座っていると、 50代後半くらいの男性がこちらへ向かって歩いて来た。 陸と華子の間に一瞬緊張感が走る。 しかし、その男性の顔は、 華子の祖母から見せて貰った写真とは、全くの別人だった。 二人はそれを確認すると、ホッと息を吐く。 男性は穏やかな笑みを浮かべ、二人の元へ来て言った。 「お待たせ致して申し訳ございません。チェックインはこちらで承ります」 男性はそう言うと、住所と名前を記入する用紙をテーブルに置き、 陸にペンを渡した。
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