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ロッジに帰り、高瀬に礼を言ってから二人は部屋へ行った。。 陸がバッグを置いて、中から何かを取り出そうとしていると、 後ろから華子が抱き着いてきた。 「りく...ありがとう......私、思い切って北海道に来て良かった......」 陸は、背中側から回された華子の手の上に自分の手を重ねると、 「俺も来て良かったよ! 華子のお父さんに会えたからな...」 そう言った後、くるりと後ろを向いて華子を抱き締める。 華子は陸のガッチリした背中に手を回し、 甘えるように陸を見上げる。 そして、小悪魔のように可愛らしい笑顔を向けて言った。 「私ね、今、陸が好きで好きで仕方ないの。陸の顔を毎日見ないと駄目なの。陸が傍にいないと淋しくて、陸の隣で眠らないと不安なの。もうね、陸のストーカーになりそうなくらい、陸が好きで好きで仕方がないの!」 華子の言葉を聞いた陸は、かなり驚いた顔をしていた。 気位の高い華子が、そんな事を言ったからだ。 しかしその後すぐにニヤッと笑ってから言った。 「そういう愛の告白は、もっともっと言って欲しいなぁ!」 陸はそう言うと、一人で椅子の上にドカッと座ってから華子を引き寄せる。 華子が近づくと、 陸は華子の腰に手を回し、膝の上に華子を横座りにさせた。 そして、華子の顔をじっと見つめながら言う。 「今の、もう一回言って!」 「んもうっ! さっき言ったでしょう? ちゃんと聞いてなかったの?」 「聞いていたさ。でも何回でも聞きたい...いや、違うな...永遠に聞いていたいな...」 陸は笑いながら言った。 「もうっ、陸のイジワルッ!」 華子が怒ったように言うと、陸はシーッ! と指を口に当ててから、 華子の耳元に甘い声で囁く。
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