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しばらくドライブをした後、 五人が乗った車は、海沿いの素敵なレストランへ到着した。 店は解放感に溢れる南国テイストの雰囲気で、 海が目の前に見えた。 海沿いにはテラス席もある。 この日、気温はそれほど高くなく、 海風が気持ちの良い日だったので、 五人はテラス席へ座った。 華子は、目の前に広がる美しい海に、思わず見とれていた。 この店の料理はハワイアンフードやロコフードがメインで、 日本でもなじみのロコモコ丼やポケ丼、 肉や魚をタロの葉(ルアウ)で包み蒸し焼きにしたラウラウや、 塩漬けの鮭を細かく切り、トマトと玉ねぎで和えたロミ・サーモンなど、 ハワイらしい料理がメニューに溢れている。 賢太郎と夏子が、この店のお薦め料理をチョイスし、 いろいろな種類の料理を注文してくれた。 そして運転する賢太郎以外は、ビールで乾杯した。 「華子さんはハワイは来た事はあるの?」 夏子が聞いた。 「はい、学生時代に二度来ました。だから、一番最後に来たのは六年前です。夏子さん達はいつごろからこちらに?」 「私達は来て五年目よ」 夏子の夫の賢太郎は、ハワイで現地ガイドをしていた。 観光客相手はもちろんの事、 時々日本のテレビ局からの依頼で、 現地コーディネーターのような仕事も引き受けているそうだ。 だから、観光地やレストランなどには精通している。 この店も、二年前に出来てから評判の店という事で、 日本から来た二人を連れて来たかったらしい。 そんな賢太郎が選んだだけあって、どのメニューも絶品で、 華子はついついビールが進んでしまう。
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