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食事をしながら、夏子が言った。 「お兄ちゃんは華子さんとどうやって知り合ったの?」 今回、またいつもの質問が飛んで来た。 しかし、陸は慣れた様子で店で知り合ったと答えた。 「きっと、お兄ちゃんがナンパしたんでしょう~?」 夏子がニヤっと笑って言ったので、 「んな訳あるか!」 と陸が罰が悪そうな顔をして言ったので、 皆が大笑いした。 とにかく、ずっとそんな調子で、 笑いの絶えない食事会は楽しく続いた。 そして時間は過ぎ、 美味しい料理を堪能した五人は、食後のコーヒーを飲んでいた。 華子と夏子だけは、パンケーキを食べている。 「このパンケーキ、絶品でしょう?」 夏子がキラキラした表情で言うと、 華子も笑顔で、 「はい、フワフワなのにしっとりしていて美味しいわ...」」 そう言って、嬉しそうにパンケーキを頬張る。 そんな華子の様子を、陸と綾子が微笑みながら見つめていた。 そして母の綾子が陸に聞いた。 「結婚式は、いつ頃を予定しているの?」 「それはこれから二人で話し合ってからだな...」 陸が華子を見たので、華子はうんと頷く。 「私達、絶対日本へ帰って出席するからね!」 夏子が鼻息を荒くして言う。 そして、賢太郎も、 「しばらく日本に帰っていないから、ちょうど実家にも顔を出せるし、いい機会かもしれません!」 と嬉しそうに笑う。
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