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それから陸は店の扉を開けると、先に華子を外へ出す。
そして自分も店を出てから華子に言った。
「車は裏に停めてあるから」
華子は黙ってついていく。
歩きながら、陸の後ろ姿をじっと見つめる。
長い脚をゆったりと動かし、大きな歩幅で歩くその後ろ姿は、
まるで大地をしなやかに歩くピューマのようだ。
華子はその美しい脚の動きに思わず見とれていた。
『ハァ? 私ったら、何見とれてんのよっ!』
華子はそう呟くと、慌てて陸から視線を逸らす。
陸は歩く速度を緩める事もなく、どんどん先へ歩いて行く。
危うく置いて行かれそうになった華子は、
小走りで陸の後を追いかけた。
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