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「ああ、店から歩いて五分くらいだ。でも、今はリフォーム中で、まだ住める状態じゃないんだよ」
「えっ? じゃあ私はどこに行けばいいの?」
「大丈夫だ。それまでは別の場所を用意してやる!」
陸はそう言うと、ウィンカーを出して左折した。
『こいつナニモノ? すぐに手配出来るようなマンションをいくつも所有してるって事なの?』
華子はいぶかし気な顔をしながらそう思った。
車は繁華街を抜けると、閑静な住宅街を走り始める。
この辺りは高級住宅街だ。
片側一車線の道路沿いに植えられた街路樹が、なんとも言えずオシャレだ。
道路の両側には瀟洒な豪邸が建ち並んでいる。
その道を通り抜けると、今度は片側二車線の大通りへ突き当たった。
陸はそこを左折し、そのまま大通りを走り始める。
しばらくすると、左手に大型ショッピングセンターが見えてきた。
華子がその看板気づいた時、陸は突然ウィンカーを出してから、
そのショッピングセンターへ入って行った。
「ちょっと! 寄り道?」
「君は着替えも何も持っていないんだろう? だから必要な物をここで買うといい」
陸はそう言って、地下駐車場を進み、
空きスペースを見つけるとそこへ車を停めた。
『ふーん、意外と気が利くじゃない!』
華子はまんざらでもないといった表情をした。
それから二人は車を出ると、
ショッピングセンターの売り場へ向かった。
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