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その日、午後七時を回ると、
少しずつバーへの客が増え始めた。
店のカウンターでは、30歳くらいの若者が、
接客をしている。
若者はこの店のバーテンダー兼店長だ。
彼はその若さで、店を任されていた。
その時、一人の男性が店に入って来た。
男性はすぐにカウンターへ向かって来る。
途中、常連客と挨拶を交わしている様子からすると、
どうやら顔見知りのようだ。
その後、男性はカウンターまで来ると言った。
「お疲れさん」
「陸さん、お疲れ様です! 今日もこっちですか?」
若いバーテンダーは、男性に向かって言った。
「うん、他は大丈夫そうだからこっちの応援をするよ」
男性はそう言うと、ジャケットを脱いでから、
カウンター内へ入って行く。
どうやらその男性は店の関係者のようだ。
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