2

1/14

3675人が本棚に入れています
本棚に追加
/348ページ

2

陸は経営している店をこまめに回り、 人手が足りなければ、今日のように自ら応援に入る。 最近、この店のカフェタイムのアルバイトが急に辞めた。 だから、陸は昼も度々この店舗の応援に入る。 夜のバータイムは、卓也とバックヤードの調理スタッフの2人でも なんとかなるが、 昼のカフェタイムは来店客数が多いので、 どうしてももう一人スタッフが必要だ。 そこで、卓也が言った。 「陸さん、カフェタイムのバイト、そろそろ募集かけておきますか?」 「そうだなぁ」 「じゃあ、明日タウン誌の方に連絡入れておきます」 「頼んだよ」 陸はそう言うと、キッチンへ入って行った。 その時、新しい客が入って来た。 「いらっしゃいませ」 卓也が入り口に向かって声をかけると、 若い女性と50代位の男性が店に入って来た。 今まで見た事がないその二人は、 おそらく初めて来店した客だろうと思われた。
/348ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3675人が本棚に入れています
本棚に追加