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朝食はカフェ西沢時計店で
次の日、圭佑はいつものように、あさひ屋にパンを買いに出かけた。
朝早くから、真言が通りの写真を、撮っていた。
町のメイン通りなので、人通りのさほどない時間を、狙っての事だろう。
スタイルの良い、モデルのような女性が2人、手を振りながら、真言に駆け寄っていくのが見えた。
何かを、楽しそうに話すと2人は、真言の指さした場所に立ち、ポーズをとり始めた。
何枚か写真を撮ったのだろう、女性2人は、真言の両サイドから、カメラをのぞき込んでいた。
圭佑は、パンの会計を終えて、通りに出て、三人の様子を、遠くから眺めながら、歩きだした。
すると、男性が一人、真言達三人に、近づいてきた。
その男性に気付くと、女性2人が、真言から離れた。
真言は、その男に話しかけられると、ゾワリと鳥肌がたった。
真言の、働いていたスタジオで、データの流出事件がおこった、
その犯人が、『真言だ』と言い出したのは、この男だ。
事件の犯人は、結局見つからず、スタジオの所長は、男の非礼を代わりに謝ってくれたが、結局、真言はスタジオを辞めた。
仕事がなくなり、ぼんやりとしていたところに、町役場の吉川さんから、依頼が来た。
渡りに船と、その依頼に飛びついて、この町にやってきた。
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