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男性は大きく肩を震わせ、ゆっくりと振り向いた。宇宙人に会ったかのような、驚いた顔をしていた。
「春夫」
「パパ!」
男性は大慌てで立ち上がり声の主の方へ走った。振り返るとそこには山田さんがいた。
「パパ、外人さんだよ。英語喋ったよ!」
男性は山田さんにすがりつき私を指さした。山田さんは困惑した顔をしていた。
「山田さん……えっと……」
「何でここにいるんだ」
「えっと……」
「自分の持ち場に戻れ」
「はい、えっと……」
春夫、ハルオ……ハロー?
「もしかして桜庭ハローさんですか?」
「持ち場に戻れ!」
「はい……」
午後、掃除機が重かった。全然前に進まなかった。山田さんは相変わらずむっつりとした顔でモップがけをしている。とても話をする雰囲気ではない。
窓の外では春夫さんが草取りをしている姿が見えた。春夫さんがハローなのだろうか。
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