第3話

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第3話

ある程度分かってきた。 それでも、謎は残る。 私には分からないことが沢山ある。 それでも、この事件は解決したい。 そう思う。 不意に時計を見る。 10時15分。 思っていた以上に時間が経過していた。 私が時計と睨めっこをしていると、呼ばれた。 「那結菜ちゃん」 「はい!」 振り向くとそこには真田さんがいた。 「どうかしたんですか?」 「那結菜ちゃんの言っていた、交際が終わった時期について調べがついたよ」 「本当ですか!?」 「うん。...えっと、松田さんが棚田さんと別れた時、2人の働くコンビニに新しいアルバイトの子がきたらしい。」 「新しいアルバイトの子、ですか?」 「ああ、松田さんと同じ高校に通う女子学生だったみたいだ。名前は、海雲華(みくもはな)。」 「その人がアルバイトに入ったのは、棚田さんがコンビニを辞めてからですか?」 「いや、棚田さんがコンビニを退職する数ヶ月前だったみたいだよ」 (数ヶ月前...) 「その、海雲さんって松田さんと同じクラスの人ですか?」 「いや...同じ学年ではあるが、クラスは違うかったみたいだよ」 「2人に面識があったかどうか調べれますか?」 「わかった。調べてみよう」 (なにか引っかかる…) そんな事を考えていると、後ろから怒鳴り声が聞こえた。 「君か!」 反射的に振り返る。 すると、そのにはガタイのいい男の人が立っていた。そして、その後ろにはお父さんと真田さんがいた。 (誰だろう…?) 私が考えていると、ガタイのいい男の人が近づきながら聞く。 「君が都賀刑事の娘さんかい?」 「えっ…、はい。娘の那結菜…です」 すると、目の前の男の人は笑った。 「ははは!礼儀正しいんだな!」 私は目が丸くなる。 一体誰だろう。 私の思いを汲み取ってくれたのか、真田さんが男の人に声を掛ける。 「…ちょっと、部長。那結菜ちゃんがびっくりしてるじゃないですか。挨拶してあげてくださいよ」 男の人はハッとした表情を見せ、言った。 「すまない!すまない!名乗っていなかったな!私は都賀と真田の所属する部署の部長をしている上田学(かみだまなぶ)だ!那結菜ちゃんの噂は2人から聞いていたよ!」 「あ…そうだったんですね」 上田さんが続ける。 「そこでだ!那結菜ちゃん。…この事件、最後まで協力して貰えるかな?」 「えっ…」 声に出てしまった。 普通子供に事件への協力をお願いしないだろう。 それどころか、「遊び場じゃないんだ!」と追い返されるだろう。 そんな事を頭の中で考えていると、真田さんが言った。 「あのね、那結菜ちゃん。本当は子供に事件の協力をお願いしないんだ。…だけど、那結菜ちゃんの事件への関係は今に始まったことでは無いよね。」 そのまで言われて納得する。 「ああ、なるほど…今までにいくつかの事件に関わり、その全ての事件を解決したから、今回のこの謎だらけな事件への協力を求めているんですね…」 「まぁ…そう言うことになるね」
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