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【くかさはいつなんどきでもくかさ その2】
(下記の内容は先日見た夢から抜粋)
ホテルの窓から階下を見渡す。
蟻の様にうごめく警官達を眺めながら、こんな俺の為によく集まったものだと関心する。
その中にはあのいけ好かない刑事の姿も。
自尊心と承認欲求の塊の様な若造に逮捕されるのだけは勘弁ならなかった。
若造の胸ぐらを掴み、
「あの刑事を呼べ。でなければ今此処で貴様を消す。」
そう言って若造を睨みつけた。
実際俺を追い詰めたのはあの刑事だったし、あの刑事になら捕まってもいいとさえ思えた。
だからホテルの部屋番号をあの刑事に伝えて欲しいと所轄に電話をしたのに、現れたのは自尊心を満たそうと高揚した若造だった。
若造は視点の定まらない青ざめた顔でスマホからあの刑事に連絡を取った。
俺は静かにドアを閉め、ベッドに腰を下ろす。
手錠をされるのは初めてだ。
刑務所はどんな所だろう。
喘息の薬は貰えるだろうか。
そんな事を考えているとノックもせずにあの刑事が部屋のドアを開けた。
「おまたせっ!」
満面の笑顔で入ってくる刑事を見て、よくもまあここまで空気が読めない奴も珍しいと思う。
ただ、そこに共感したのも事実だった。
「久しぶりやね。」
俺も笑顔で答えながら立ち上がり、彼に両腕を差し出した。
自分の手首にかけられる手錠。
それを見つめながら思う。
俺、なんで捕まるんやったっけ?
(; ̄Д ̄)アレ?←夢の中でも物忘れが酷いおっさんwww
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