いつかの記憶

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いつかの記憶

ある時、目覚めた。 いや、目覚めた、というより起こされた。 その時、"目覚めた"ということは知らず、ただ戸惑っていた。 目覚めた時、目の前には見覚えのナイ一人の女性が立っていた。 …見覚えはナイ、けど、何処かで見た、というより 何処か懐かしい、そんな感じがする。 多分、感情を感じたのはその時が初めてだった。 その後、女は静かに微笑み、ボクが目覚めた部屋から出て行った。 ボクは女が部屋から出て行った直後、眠気が無くなったということに気づいた ふと周りを見渡すと、自分がベッドの上にいるとようやく理解し、 自分にはTシャツと半ズボンが着せられていることに気づいた。 ダレがやったのかはわからない、がきっとあの女だろう、と理解した。 部屋を見渡すと自分が寝ていたベッド、そして小さな机。 机の上には小さな花瓶の中に優しく入れられている白いアネモネ。 その時どうして白いアネモネだとわかったのかはわからない。 ただ、その時は知る必要が無いと思った、それだけだ。 また周りを見渡すとカーテンがあり、椅子が一つ、置かれているだけだった。
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