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君の世界は光り輝く2 ~乙女ゲームで白い結婚エンドだったから、安心して旦那さまから逃げ損ねた~
「え? 冗談でしょう!?」
私は桜色の髪と緑の瞳を持つ人間でエティアという、前世は日本人という記憶持ちの現在は公爵夫人である少女だ。日本ではごくごく平凡な一人の人間だった、ただ二十歳になる前に病気で前世は死んだ、でも今世は平凡なただの平民で終わると思っていた。それがどうしてこうなったのか分からないが、このローレル国の第二王子だった公爵と結婚することになった、でもそれは白い結婚で本物の結婚ではなかった。だから私は公爵になった金の髪に蒼い瞳を持つ夫のウルフェン、そして私のことを愛している彼ととりあえず仲良く暮らしていた。
「一生、白い結婚でも良いなんて、ウルフェンったら可哀そう。どうして私なんかを好きになっちゃったかな? 他にもっと良い女性はいなかったのかな?」
私は前世の日本では男の子だった、だから今世では結婚をするつもりはなかった。体は女性になっていたが、私の考え方はまだ男の子のままだったからだ。それをウルフェンは知らなかった、それでも彼は私のことを愛していると言って、そうして白い結婚でもいいから結婚したいと望んだ。私もウルフェンが友達としては嫌いじゃなかったから、白い結婚ならいいけどなんてうっかり言ってしまった。そうしたら、翌日には私は別の貴族の養子になっていて、そしてウルフェンと結婚する契約書を書かされていた。
「ウルフェン、私とじゃ白い結婚しかできないけれど、それで貴方は本当にいいの?」
「エティア、君と結婚できるだけで僕は幸せだよ」
「はぁ~、それで貴方が幸せならいいです」
「大丈夫だよ、エティア。僕は君と結婚できるだけで、本当に幸せなんだ」
こうして私は前世が男の子なのに、ウルフェンと結婚してしまった。彼が白い結婚をした私に望むことは、ウルフェンが眠る時に必ず私に右手を握っていて欲しい、というささやかなお願い事だけだった。どうしてそんなことをウルフェンが望んだのか、それは彼は幼くて死の病にかかっていた時、神殿からきた私がベッドにいた彼の右手を握って病を癒したからだった。それからウルフェンは私のことが好きになったらしい、そして彼は今では他には何もいらないくらい私を愛しているそうだ。
「ウルフェン、私たち絶対に白い結婚ですよ」
「うん、分かった。でも君が好きな人は口説くものだと言った、だから僕は君を口説くよ」
「それはちょっと言い間違ったんです、いいですからそんなこと忘れてください」
「僕の愛するエティア、僕が君の言ったことを忘れられるわけないじゃないか」
私はウルフェンと白い結婚をした初夜に、あまりにも彼が可哀そうでうっかりと好きなら口説けよ、みたいなことを言ってしまっていた。それからただでさえウルフェンは私に甘い男だったのに、その甘さがどんどんと増していってしまった。私は迂闊なことを言ってしまったと思い、本当に反省していたのだが一度出た言葉はもう取り返しがつかなかった。ウルフェンは私のことを閉じ込めるだけじゃなく、自分の公務の時にも連れて歩くようになった。私はウルフェンが最初は冗談を言っているのかと思った、でも彼は本気で同時に私に領地経営のことも教えてくれた。
「そういえばキミセカには2もあったっけ、確かそっちは十八歳未満はプレイできないゲームだった」
そう私のいる世界は前世の日本でのゲームである、『君の世界は光り輝く』の世界なのだった。異世界というのは無限にあるのだから、日本で作られたゲームの世界が一つや二つあっても不思議ではなかった。でも私は通称キミセカであるゲーム、『君の世界は光り輝く』の続編2をプレイできなかった。それは十八禁のゲームだったからだ。前世の私はそこまで生きていられなかった、病気でそのゲームをプレイする前に死んでしまったのだ。
「十八歳未満プレイ禁止のゲーム、一体これからどうしよう。何の情報も無いけど、嫌な予感しかしないよぉぉぉ!!」
そもそも私は『君の世界は光り輝く』の一作目でさえ、攻略対象を覚えていないという残念な記憶力の持ち主だった。いや前世の私はかなりの数のゲームをしていたのだ、むしろタイトルとか主人公の特徴を覚えていただけマシだった。これからどうなるのかはさっぱり分からないが、私とウルフェンがしたのは白い結婚だった、初夜は絶対にしないという結婚なのだから心配はないはずだった。でも私と結婚してからウルフェンはまた変わった、彼は私のことをもっと溺愛するようになったのだ。
「ウルフェン、ちょっと抱きしめるのを止めてください」
「僕に触られてゾッとするのかい、エティア?」
「いや、かなり慣れましたからもうゾッとはしません」
「ならいいじゃないか、僕は君を抱きしめていたいんだ」
「今は公務中ですよ!! ほらっ、部下の方が困っているじゃないですか!?」
「チッ、仕方がない。公務をするとしよう、っとその前に少しだけ」
うっわっ、今舌打ちしたよ。このウルフェンときたら公務中の執務室でも、私のことを抱きしめるようになった。いや執務室にいるなら彼からの愛情表現もまだマシな方だった、軽く抱きしめられるかもしくは手にキスをされるくらいで済んだ。これが人の目が無いところにいくともっと酷くなった、私がウルフェンに抱きしめられるのに慣れると、すぐにそのことにこの男は気がついて、もっと強く私を抱きしめるようになった。抱きしめかたも無邪気な子どものようにではなく、隙があれば服の上からでも私の胸を揉もうしたり、スカートの隙間から太ももを撫でさすったりするようになった。
「ウルフェン、それ以上するなら離婚します!!」
「ごっ、ごめん。エティア、今はもうしないよ」
「今だけじゃなく、もうずっとしなくていいです!!」
「いや、そのうちに僕に触られるのに慣れて、君も平気になるかもしれないだろう」
「慣れたくなんてないですから!! 平気になんてなりませんから!!」
「未来は誰にも分からないよ、エティア。僕は君が大好きだ、愛しているよ」
そう言ってウルフェンは嬉しそうに私を見て微笑んでいた、彼は本当に私といられて幸せそうだった。私もウルフェンといることにすっかり慣れてしまった、過剰なスキンシップには戸惑ったが、それ以外では彼は良い夫だった。白い結婚という契約を決して破ることがなかった、でも抱きしめたり、手にキスをしたり、胸を揉んだり、太ももを触ってきたりすることは止めてくれなかった。またそうしながら愛してるとか、好きだとか、君がいないと生きていけないなどと言うのだ。もし私の前世が男の子でなかったら、私はとっくにウルフェンに美味しく頂かれていた。
「ウルフェン、今度この街に視察に行くのですか」
「ああ、エティア。どうか、君の力を貸して欲しい」
「ええ、分かりました。ここは以前の領主から随分と重い税をとられてます」
「そうだ、だからしばらくは減税して様子を見るつもりだ、碌な食事もできなくて体を悪くしている者も大勢いるから君に治して貰いたい」
「街一つくらいなら大丈夫です、私の力で誰かが助かるなら良いことです」
「全く僕の奥さんは有能だな、僕は君を外に出したくないくらいだよ」
私は一度に使える魔力の量がまた増えていた、魔力の総量は生まれた時に大体決まるから増えていないが、街一つくらいの人間なら癒せるくらいに私の魔力操作は成長していた。ウルフェンは私が公爵夫人になっても好きなようにさせてくれたから、私は上級魔法の勉強を続けてそしてもっと強い上級魔法が使えるようになっていた。逆にウルフェンは私が社交界に出ることを嫌がった、あんな貴族という化け物のいるところに行かなくていいと言っていた。
「ウルフェン、もう少し体の力を抜いて、それに顔が怖いですよ」
「ああ、エティア。君を王家主催の舞踏会につれて行く、あんなところに行くなんて気が重くて」
「まぁ、私のマナーは付け焼き刃ですから、未だにダンスでウルフェンの足を踏みますし」
「エティア、君にならどこを踏まれたって僕は気にしない。だが貴族という化け物どもは嫌いだ、あんな化け物どもを君に近づけたくない」
「私も公爵夫人ですから、一応は貴族と付き合わなければなりません」
「できるだけ僕の隣にずっといてくれ、そして絶対に一人にはならないでくれ」
私は公爵夫人だったので最低限の社交界との付き合いは必要だった、でもそんな時は常にウルフェンが私の傍にいた、彼は自分が病気の時には寄り付かなかった貴族のことを嫌っていた。だから絶対に舞踏会などに出る時には私の手を放さなかった、どうしても私と離れないといけない時には、絶対に一人にならないように私は言われていた。私も積極的にお付き合いしたい貴族はいなかったし、ウルフェンの言う通りに普段は大人しく人目のあるところで壁の花になっていた。
「ウルフェン様の傍にいる人間として、貴女は全く相応しくないわ!!」
「ごきげんよう、カリーノ公爵令嬢。お久しぶりです、学園以来ですね」
「貴女なんていなければ良かった、私のウルフェン様を返してよ!!」
「そう言われましても、そんな話はウルフェンと直接してください」
「貴女なんて今だけの公爵夫人よ、今に私がウルフェン様と結婚するんだから!!」
「はぁ~、そうですか」
私はウルフェンがいない間にカリーノ公爵令嬢にそんなことを言われていた、この舞踏会にきたカリーノ公爵令嬢はウルフェンの元婚約者だった。学園にいる間も私はこの女性から、同じようなことをこっそりと言われていた、彼女自身が何かしてくることはなかった。それは私の傍に常にウルフェンがいたからだ、ウルフェンがいる時にはカリーノ公爵令嬢は大人しい淑女を演じていた。だがこんなふうにウルフェンがいないところでは、カリーノ公爵令嬢はまだウルフェンのことを諦めておらず、私に散々な文句を言ってきた。
「舞踏会なんかより、領地の視察の方が楽しいです」
「ああ、僕も同じだよ。エティア、こうして君と二人きりでいられる方が良い」
「護衛の方々を忘れてますよ、ウルフェン」
「そんな者たちを気にしていたら何もできない、こうやって君に触れることだってできない」
「ウルフェン、抱きしめるだけにしてください。またスカートに手を入れてきたら、即座に離婚ですからね!!」
「つれないな、僕の愛するエティア」
今日はウルフェンが治める領地の視察に来ていた、私たちはそこでかなり怯えている領民を見ることになった。ウルフェンが治める前にいた貴族は領民を虐待していた、だから今度の領主になった私たちを見て、領民たちは怯えてそして何か罰せられないかと恐れていた。でもウルフェンがそんなことをするわけがなかった、彼は視察現場に着いたら手際よく領地のことを確かめていった、そして体を悪くしている領民が多かったから私の出番だった。
「私の大事な領民たちに祝福を、『大いなる完全な癒しの光』」
私が最上級の回復魔法を使うと、私を中心にして光の波が人々の間に広まっていった。そうして領民たちの体の悪いところを次々と全て癒してしまった、領民たちは最初は驚きそして最後には私に対して涙を流して感謝してくれた。私もさすがにこの大魔法を使って疲れていたが、涙を流して喜んでくれる領民たちに向かって微笑んで手を振った。私の傍に領民を近づけないようにウルフェンが護衛をつけていた、そうでなかったら私は感謝する領民たちから私は押し潰されていたかもしれなかった。
「ここが最後の領地ですか、ウルフェン」
「ああ、そうだよ。僕の女神、いやもう皆の女神かな」
「止めてください、ただ私は普通の人より魔力が多いだけです」
「でも他の貴族の女性ならあんなことはしない、領民のことなんて考えていない女性が多い」
「それは問題です、ってウルフェン隙あらば私に触ろうとしないでください!!」
「僕は君をずっと抱きしめていたいよ、本当は僕以外の誰にも君を見せたくないくらいさ」
そういってウルフェンは私の服に手を入れたりはしなかったが、私を抱き寄せて唇に近い頬にキスをしたり、胸やスカートから出ている足首を触ったりした。最近では私もウルフェンとの接触に慣れてしまい、その気持ちの良い手を払うとかなかなかこれが嫌だと言い出せなかった。前世の世界でも男性同士で結婚する国もあった、愛するということに性別は関係ないのかもしれなかった。私はそう考えるようになって、私を愛している男性のウルフェンを拒むのがとても難しくなったのだ。
「私の大事な領民たちに祝福を、『大いなる完全な癒しの光』」
「エティア!! 危ない!!」
「え? ウルフェン? なっ、何で矢が!?」
「――ッ!? 大丈夫かい、僕の大切なエティア」
「私は大丈夫です!! でもウルフェンの体中に矢が!?」
「大丈夫だよ、エティア。誰かすぐに矢を引き抜いてくれ!!」
最後の領地の視察で私たちは襲われた、襲った相手をウルフェンの護衛たちが捕まえて縛り上げた。それは良かったが矢に射抜かれたウルフェン、彼の様子がだんだんと静かになりやがて彼は気を失った、矢にはご丁寧に毒が塗ってあったのだ。だから私はすぐに『解毒』と『完全なる癒しの光』の解毒と回復の上級魔法を使った、ウルフェンの顔色はそれで良くなったからすぐに馬車に乗せて、私たちは自分たちの家の一つに帰ることにした。私はまだ意識が戻らないウルフェンがベッドに寝かされるのを見て、このまま彼が目を覚まさなかったらどうしようと思った。
「ウルフェン、どうか死なないで。ひっく、私の大好きなウルフェン。ひっく、ひっく、私を一人にしないで」
私たちは近くにある公爵であるウルフェンが持っている家に戻った、医者に診て貰ったら毒は抜けているが、矢を引き抜いた時に動脈を傷つけて大量に出血したからだと言われた。私は魔法でどんな傷だって治せた、でも失われた血を戻すことはできなかった。そうしてウルフェンは眠り続けた、その間の公爵の公務はウルフェンの寝室で代わりに私がした。そして私たちを襲った相手も分かった、カリーノ公爵家がウルフェンを襲った犯人だった、いや彼らに襲われて狙われていたのは私だった。カリーノ公爵令嬢が主犯だった、だから本当に狙われていたのは私だったのだ。
「わっ、私ウルフェンが大好きだけどもう離婚する!! 私が原因でウルフェンが死ぬくらいならそうする!!」
「………………駄目だ」
「えっ!? ウルフェン!! 起きた、目が覚めたの!?」
「駄目だよ、エティア。今更になって僕の傍を離れるなんて、そんなことは許さないよ」
「だって、ウルフェンは私のせいで……むっ、むむっ、うぐぅ!!」
「愛してるよ、エティア。本当に愛してる、だから僕は絶対に君を手放さない」
ウルフェンは七日後に目を覚ました、でも様子がまだおかしかった。彼は私をベッドに押し倒して、そしていろんな場所にキスをした。私は必死に抵抗したのに服もあちこち脱がされて、ウルフェンはいつもなら絶対に触れない場所を愛撫してきた。私は何度も嫌だとか、止めてとか言ったが、ウルフェンは今度は止めてくれなかった。時間も夜になっていたので、書類を届けにくる家臣もいなかった。そのまま私はウルフェンに激しく抱かれて愛された、彼の愛撫は優しかったが朝までずっと私は悲鳴を上げることになった。
「エティア、頼む。頼むから、僕と離婚しないでくれ」
「ひっく、私は嫌だって言った。ひっく、止めてって言った」
「ごめん、ごめんよ。君が僕と本気で離婚するなんて言うから、まだ失血で頭がハッキリしていなかったんだ」
「ひっく、ウルフェンの馬鹿、ひっく、ひっく」
「ああ、本当にごめんよ。僕は馬鹿だ、君を優しく抱くこともできなかった馬鹿だ。だがどうか何を言ってもいいから、僕に何をしてもいいから離婚だけは止めてくれ」
「本当に馬鹿、ひっく、もう許さないから、ひっく、ひっく」
翌日の朝になって一晩中泣きまくった私は土下座をするウルフェンから謝られた、私とは白い結婚のはずだったのに無理やり私を抱いたんだから当然だった。私はこれからどうしようと思ったが、頭が真っ白になって何も浮かんでこなかった。とりあえずウルフェンと離婚はしなかった、でもウルフェンを許してもあげなかった。私は前世では男の子だったはずなのに、昨日はウルフェンに抱かれて凄く気持ちが良くなった。でもそれも悔しくてウルフェンには言ってあげなかった、そうやって私がすねている間にウルフェンはカリーノ公爵令嬢にきちんと復讐していた。
「カリーノ公爵令嬢は結婚することになったよ、相手は三十歳も年上のただの男爵だ、それに実家からの援助も打ち切らせた」
「ふーん、そう」
「誇りだけ高いが何もできない彼女にとって、これからの結婚生活は地獄の日々になるだろう」
「………………私たちの結婚生活も終わりにしたい」
「エティア、それは駄目だ。もう君には絶対に触れないから、離婚だけはしないでくれ」
「本当にもう私に触れない? ウルフェンは我慢できる?」
ウルフェンは私の問いに我慢してみせると答えた、それは彼にとっては甘い地獄のような日々に違いなかった。一度は抱いた愛おしい女性に触れられないなんて、ウルフェンにとっては地獄以外のなにものでもなかった。でもそれでもウルフェンは我慢してみせると言った、そしてウルフェンは魔法の契約書を持ってきた。その魔法の契約書には今後は絶対に白い結婚を貫くと書いてあった、そしてもうウルフェンのサインもしてあった、更にウルフェンは浮気はしないとも書いていた。ここに私が名前を書きさえすれば、もう私はウルフェンに抱かれることはなかった。
「君がいない世界なんて意味が無いんだ、それに一夜の素晴らしい夢を見せて貰った。僕はそれでいい、ごめんよ。エティア、僕は君をどうしても手放せないんだ」
ウルフェンにとって私が傍にいる世界だけが光り輝いていた、それ以外の世界は彼にとっては地獄でしかなかった。私はいっぱいいろんなことを考えて、そうしてウルフェンとのことを真剣に考えて、それから思い切ってその魔法の契約書を破った。ウルフェンはそんな私に驚いた、そしてどうか離婚だけはしないで欲しいと私の足元に縋ってきた。私はそんなウルフェンを見下ろしていたが、それからそんな彼のことを思いっきり強く抱きしめた。
「今度、私のことを乱暴に抱いたら、本当に離婚してやるから!!」
私がそう言うとウルフェンはすぐにその言葉の意味を理解したようだった、そうしてまた私はウルフェンに抱きしめられてベッドに押し倒されていた。えっ、まだ早過ぎないかと真昼の出来事だったので私は思った。でもウルフェンにとって私と愛し合えるのなら、昼間でも夜でも関係なかったみたいだ。また私はすぐに悲鳴を上げることになった、ウルフェンの愛撫は優しくてそして気持ちが良くて仕方がなかった。私の心は男の子だったはずなのに、ウルフェンだけは私にとって特別になった。
だからいろんなところにキスされたり、体を舐められたり、体を貫かれりしても彼と離婚しようとは思えなかった。彼が触ってくれるところがどこも気持ちが良くて、私が悲鳴を上げ続けていたら優しくキスで口を塞がれた。本当にウルフェンは優しく私を抱いた、でもその愛撫には激しい愛情がこもっていた。私はそれが嬉しくて同時に恥ずかしくてヤダとか、ヤメテとかちょっと激しい行為の時には言ってしまったが、もうウルフェンは私が本当に嫌がっていないと分かっていた。
「わっ、私は心は男の子だったのに!!」
私があんまりウルフェンと愛し合うのが気持ちいいから、つい本音を漏らしてしまうとウルフェンは首を傾げた。もうウルフェンに抱かれている私は女の子みたいだった、いや体は女性なのだから女の子で間違いなかった。それからウルフェンは一段と激しく私を抱いた、私の体はそれを待っていたかのように喜んだ。そうしてウルフェンは私を抱きながら、そう私の体を貫きながらこう言っていた。最初からウルフェンにとっては私の性別など、そんなことはどうでも良かったように彼はこう言い放った。
「やっぱりそうか、エティア。でも僕はそんなこと、もうとっくに知っていたよ」
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