キャバレー

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「あぁ、驚いたよ、いい腕だ、――ど、どんな仕掛けなんだい?」  額の冷や汗を拭い、その場を取り繕おうと大きく吐き出された煙草の煙がミキちゃんの手許を覆い隠した。やがて煙が散開し、いまだ震えている煙草が現われた時、社長の額に向け銃口が突きつけられていた。 「ほぅ」  社長が微笑みを浮かべる。 「ありがとう」  衝撃音が店内に鳴り響くと共に、引き攣った薄笑いを浮かべる社長の後頭部から、血とそれ以外の物が噴出した。  緊張が一度緩み、完全に不意を突かれた用心棒は、ジャケットから手を抜く間もなく、ゆっくりとした動作で確実に照準を合わされ、額を撃ち抜かれた。  店内が凍りつく。異変に周囲がざわめきはじめたころ、恐怖に怯える女の叫びが、緊張を切り裂いた。 「きゃああ!! 社長さん! 社長さぁぁん!!」
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