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昼下がりの公園
「おねぇちゃん凄い! なんで? どうして魔法使えるの?」
「もっと見たぁい~」
公園の昼下がり、空腹を紛らわせようと、遊んでいた小さな子供たち相手に簡単なマジックを披露する。子供たちは皆、掌に現われては消える小道具のピストルに熱中し、羨望のまなざしは瞳をキラキラと輝かせている。
「○○ちゃん、帰るよ~」
「マーマー! 僕も鉄砲欲しいぃー」
「パパに今度お願いしようね。でも、知らない人と遊んだりしないこと、約束守れたら買ってくれるよ」
子供たちはあんなにも喜んでくれるというのに、いつからだろう。あたしが夢をみられなくなったのは。
「って――こうしちゃいられない。仕事探さなきゃ!」
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