ネムちゃんに悪気なし!

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ネムちゃんに悪気なし!

「ネム、君は当分刀も手裏剣も禁止だから」  据わった目でコンガに言われたのは、いつもの彼のコンビニの備品倉庫でのことだった。 「あのね、普通素振りして自分のクビ落としそうになる剣士なんていないから!今回ばかりは見過ごせないからね、マジで!」 「えええ、いいじゃないっすか、あたし剣士じゃねーし」 「良くない!1ミリも良くないなぁぁぁい!あのね、君達に何かあったらね、こっちの首が飛ぶの!クビになるじゃなくて物理的に飛ぶの!キレた岩さんほんと怖いのマジ勘弁して!?」 「そうだよ、ネムー」  反論したかったが、咲耶とシャオランにまで涙目で訴えられてはどうしようもない。 「暫く授業は木刀でやろう?というか、その怪我治るまでちゃんと休みましょ。今回は本当の本当に危なかったんだから。ネムに何かあったら、私もシャオランも悲しいよ」 「うんうんうんうん」  二人がここまで心配するほどだ。今回の自分はよっぽど危ないことをしていたのだろう。 ――確かに、今回はいつもよりちょっと痛いけど。  肩に巻かれた包帯を触ってネムはため息をついたのだった。
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