第1章 林間学校

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第1章 林間学校

 小さな街の小さな、全校生徒が60人にも満たない小学校を卒業した。  1学年が1クラスしかなかったし、先生方も優しくて、家族以上に家族なんじゃないかと勘違いするようなアットホームな小学校だった。  6年間、伸び伸びと小学校生活を送ってきた俺は、中学入学と共に歯車がおかしくなっていく。  1学年で6クラス、1クラスの人数が40人の中学校。  それまでの毎日とは真逆の大人数の中での生活は、それまで経験が無かったせいもあって、息をするのも難しく、入学して何日か過ぎても沢山いるクラスメイトとも会話一つ出来ないでいた。  ……そして、4月の終わりの林間学校での事だった。
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