ポケットの中の希望

第２章 図書室と表彰状

　５月になってからは、学校で過ごす昼休みが苦痛で堪らなかった。

　休み時間の度にトイレに行ったり、意味もなく階段を乗り降りしてみたりしていたが、さすがに１時間近くある昼休みは何をしても時間をもて余す。

　給食の無い中学校だったから、おふくろが毎日弁当を作ってくれた。

　だけど、一緒に弁当を食べてくれる友達が居ない俺は、１人でじっと食べる勇気も無かった。

　渡り廊下の先にある図書室、俺のような境遇の生徒達がポツリポツリと座っていた。