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一人はこの部屋の住人、西 令草くん。
もう一人は黒ずくめの泥棒である。ここへ来たのは盗み目的ではない。彼は正体を偽って3階に住んでいるが、切羽詰まっていて帰るべき部屋を間違えたのだ。
「いらっしゃい。あなたは」
泥棒にも微笑みかける令草くん、紳士である。
生活パターンのズレもあり、二人が顔を合わせるのはこれが初だ。
泥棒は「間違えました」と言い出せない。鍵を失くしたと思ってピッキングしてしまったからだ。
「見て分からねえか。俺はサンタクロースだ」
ピッキングを正当化しようとする泥棒である。
「随分とお若い……そして今日は大晦日ですよ」
いろいろと無理があった。
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