令草くんの華麗なる年越し☆

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 一人はこの部屋の住人、西 令草くん。  もう一人は黒ずくめの泥棒である。ここへ来たのは盗み目的ではない。彼は正体を偽って3階に住んでいるが、切羽詰まっていて帰るべき部屋を間違えたのだ。  「いらっしゃい。あなたは」  泥棒にも微笑みかける令草くん、紳士である。  生活パターンのズレもあり、二人が顔を合わせるのはこれが初だ。  泥棒は「間違えました」と言い出せない。鍵を失くしたと思ってピッキングしてしまったからだ。  「見て分からねえか。俺はサンタクロースだ」  ピッキングを正当化しようとする泥棒である。  「随分とお若い……そして今日は大晦日ですよ」    いろいろと無理があった。
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