4章 龍彦の誘い

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4章 龍彦の誘い

智則さんと結婚してから3年…。 楽しいことは楽しいけど、セックスも週1回するかしないかだし、デートも月に2回くらいで、それ以外はお互い自由な感じになってしまったんです。 寝室も結婚して1年目は一緒だったけど、2年目から完全に別々にしている。 言われてみれば、ここまで別々にしていて、私が仕事をしている間、智則さんは何をしているだろう…。 私がぼーっとしていると、お昼休憩の終了を知らせるチャイムが鳴った。 「あ、お昼休憩終わっちゃいますね。もしよかったら、仕事終わったら2人で飲みに行きませんか?」 「今日ですか?」 ふと思いついたかのように、私に顔を向けて突然食事デートに誘ってきたんです。 「どうせ、社長、家にいないでしょ?僕はそんな感じがします。17時に会社の近くのコンビニ前で待ってますから来てくださいね」 そういうと、龍彦はさーっとデスクへ戻っていっちゃいました。 急に龍彦に誘われ、仕事に戻る前に、智則さんにLINEを打ちました。 「仕事が終わった後、友達にディナーに誘われたんだけど、行ってきてもいいかな?」 さすがに龍彦と行くとは言えないので、友人と行くと嘘のLINEを送ってみました。 数分後に智則さんから返事がきたんですが、龍彦の予想は当たっていました…。 「いいよ。俺も同業の人と夜飲む約束が入っちゃって。お互い飲みすぎには気を付けような」 はぁ…、やっぱり智則さんは夜いなかった。 いや、夜いないのは今日だけじゃない…。 ここ半年くらい、週3日のペースで夜いないことが多くなりました。 朝帰りも普通にする日々で、すれ違いが増えたような気がします。 ゲームとかプログラムを開発していると、納期が近くなると会社に泊まり込んだり、仕事が終わってそのまま飲みに行くのがいつもの流れのようです。 ですが、ジャッカルからは一線を引いた智則さんから、個人で活動をしているという話も聞いていないし、聞こうとすれば鬱陶しそうにされたこともあったし…。 そんなことを考えながら仕事をしているうちに、時間は17時に。 終業時間を知らせるチャイムが社内に響いた。 「あ…時間だ」 帰り支度をして、龍彦が待つコンビニへ向かいました。
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