4章 龍彦の誘い

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待っているわけがない…と半分そう思いながら行くと、龍彦はちゃんとコンビニの前で私を待っていた。 「お疲れ様です。ちゃんときてくれましたね 笑 沙絵さんの方が来ないんじゃないかって心配しちゃいましたよ。でも来てくれてありがとうございます」 龍彦は嬉しそうに微笑みながら挨拶をしてくれて、そのまま食事をするお店へ向かいました。 智則さん以外の人と、職場の人と仕事帰りに飲みにいくなんて、本当に久しぶりでちょっと緊張しちゃう。 龍彦が連れてってくれたのは、オシャレなやきとり屋さんだった。 内装が和風で畳の小上がり席もある。 私たちが店に着くと店員がすぐにきてくれました。 「ご予約2名の細見様ですね。個室をご案内します」 内心ドキッとしながら、案内されるがまま、奥の個室に案内された。 障子を閉めれば完全に個室状態になる。 緊張しているのがすぐにバレてしまったのか、 「大丈夫?こういう店苦手だった?」 私は全力で平然と見せていたんですが、やっぱり毎日会社で部下の様子を見ていると、すぐに緊張しているのがバレてしまうみたいです。 「そんなことないです♪久しぶりだから緊張しちゃって…」 「社長とあんまり外食はいかないの?」 「結婚して2年目くらいまではよく行ってたんですけどね…」 「釣った魚には餌をやらない…ってやつか…。ま、今日は楽しみましょ!お酒も色々ありますし、ここのやきとりメッチャ美味しいんだよ」 ここのお店はやきとりと、日本酒がメインのお店で、日本酒が好きな私にはたまらないお店だった。 「日本酒は回りやすいから気をつけてね 笑 カクテルとかもあるから」 「はい♪ありがとうございます」 「今日は僕がご馳走するから、好きなだけ飲んで食べて 笑 明日は土曜で休みだし」 焼き鳥の盛り合わせとサラダ、日本酒を好きなのを一合ずつオーダー。 飲む前にカレンダーを見ると、今日は金曜日だった。 でも、日付が変わる前には帰らなきゃな…考えていた矢先、智則さんからLINEがきた。 「ごめん、沙絵。今日は取引先に朝まで付き合わされそうだから、俺のことは気にせず帰宅して休んでくれ」
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