1章 不穏な気配のはじまり

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ある日の自宅での夕食タイム。 バジルと生ハムを使ったパスタを使ったスパゲッティを食べながら、仕事のお話になりました。 いつも会社では、高圧的な感じな時もあったりもしますが、仕事はテキパキとプロ意識を持ってこなしています。 社長モードの智則さんには、いくらお嫁さんの私でも話しかけられない…苦笑 そんな智則さんが、私の仕事を心配しているみたいなんです。 「もううちで働いて2年経ったけど、仕事は慣れたかな?」 「うん、なんとか~。でも最初は大変だったよ」 「あはは笑 うちの社員は厳しいからな!だけど、やりがいはあるだろ?」 ジャッカルは本当に、web関係やパソコン関係に強い人たちの集まり。 または、智則さんに憧れて入社してきた人たちばかり。 入社してすぐはとても周りが怖かったです…汗 「そうだね 苦笑 たくさん鍛えてもらったから、もう他の会社でも働けそう」 「うちの会社やめて、他のところに行きたくなったのか?」 会社にいる人たちは独特な人たちばかりで…。 厳しい人もいれば、優しい人もいます。 “社長夫人”という立場もあるので、周りから差別的に扱われないように仕事をするようにしてきてはいるけど。 時々差し入れを持って行ったり、若手社員の悩みなんかを聞いてあげたり。 そんなことを3年も続けていたら、周りの社員さんとも徐々に距離は近くなってきたような気はするんですけどね。 だけど、私の中では年齢的にも、転職してもっと社会勉強しようかなとも考えていました。 「転職するなら、もうそろそろラストチャンスかなって思ったりしてるけど…正直悩んでるんだよね」 「沙絵の人生だからね。ゆっくり考えたらいい。うちでずっと働いてもいいし、他の会社に行ってもいいし。どんな道に進んでも沙絵を応援するよ」 いつでも、智則さんは私の味方でいてくれました。 それが何より心強かったです。 仕事だけでなく、お互いの誕生日やクリスマス、結婚記念日、特別な日も辛い時もいつも智則さんがいてくれる。 愛する人が一緒だと、どんな時も楽しいし幸せ。 こんな日々がいつまでも続いてほしい♪ そう思っていたのですが…人生はそう簡単にはいかないもの…。 ある日、私は智則さんの浮気と疑わしきものを見つけてしまったのです。
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