3章 窓際部署と2人の過去

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3章 窓際部署と2人の過去

そうそう…。ジャッカルは実力主義で、どれだけいいシステムやプログラムが組めるか、面白いゲームが作って売れるかが決め手になる。 開発部門以外の社員、たとえば営業ならどれだけ他のゲーム会社などに売り込んでスポンサーを取ってこれたかで成績が決まるみたいです。 それ以外の事務社員、私みたいなのは基本的にクビにされることはないけど…この前みたいな派手なミスをすると、窓際部署に追いやられる可能性もある。 ジャッカルの窓際部署のことは、智則も口を噤んで教えてくれないけど、噂では…暗い狭い部屋にデスクにパソコン1台があって、毎日9時~5時まで閉じ込められる。 仕事部屋に入る前に退社までスマホを回収させ、そこでは毎日訳の分からない問題を解いたり、誰も解読できないであろうプログラムの解読をひたすらさせられるらしい。 ここ最近では、風のうわさで開発部門で大きなミスをした社員が、窓際部署に回され、自主退職するまでずっといさせられたとか…。 最終的に窓際部署へ飛ばすかどうするか決めるのって、多分代表取締役の人たちだから、智則さんだって社長だしね。 智則さんっていつもニコニコしてて、社員を大切にしている印象があるけど、ちょっと怖いなって思っちゃう。 急に頭の中がグルグルしだして、不安に震えそうな私の顔を覗く龍彦は、私の肩をポンと叩いて笑ってきたんです。 「沙絵さんを窓際部署に追いやるわけないでしょ?社長の嫁を窓際部署に入れたなんてなったら、すぐ噂が広がって経営もがた落ちしちゃいますよ」 「あぁ…そっか…」 龍彦はハンバーガーをパクパクと口に運んで、コーラで一気に流し込んだ。 それから、どこか懐かしそうにしながら、クスクスしながら窓際部署の話をしてきたんです。 「だけど、あの窓際部署…僕にはある意味“暇”で仕方なかったですけどね 笑」 「え?入ったことあるんですか?」 目をまんまるにした私を見て、大笑いする龍彦。 「前は営業部門にいたんですよ。でも、こっちがかなりいい条件出しているのに、調子に乗ってなかなか契約してくれないから、ブチぎれて暴言吐いちゃって…ついでに取引先の社員とか幹部とかにも殴りかかっちゃって…苦笑」 穏やかで優しそうな龍彦からは、想像もできませんでした 汗
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