図書室は恋の予感

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「ヴァンパイア・・?」 ヴァンパイアは吸血鬼とも言われる。 ちなみにヴァンパイアとバンパイアはどちらが正しいのか答えは出ていないらしい。 「そう、ヴァンパイア。俺は人間として育ったけどヴァンパイアの血が入っている。見た目は人と変わらないけど、時々血を飲まないといけない。でも、俺は血が苦手なんだ・・。だから血を飲んだことは生まれて1度もない。血が飲めないヴァンパイアは応急処置で輸血をするんだ。でも本当は人間の血を飲む事が1番だから輸血ではしっかりと栄養をとることはできない・・。だから最近は体調が悪い事が多くなってね・・。まさかオッドアイになるとは思わなかったけど・・」 舞は隼人が嘘を言っているとは思えなかった。 だが、突然の事に頭が追いつかない。 それは隼人が小学生の時の出来事だった。 ある日、隼人は自宅の洗面所で転んでしまい少し血が出る怪我をした。 その時に洗面所の鏡にうつった自分の瞳がオッドアイになっていることに気づいた。 状況がよくわからない小学生の隼人だったが、その日の夜になりいつものように眠ると不思議な夢を見た。 金色と赤い瞳のオッドアイの猫が出てきて隼人に話しかけるのだ。 「私はルビー。新しくヴァンパイアになった子たちの案内係だよ」 「俺がヴァンパイア・・?」 「昔の話なんだけどね。かつて人間とヴァンパイアは交流していた時期があったんだ。普通に友人になったり、互いに恋をして結婚するヴァンパイアと人間もいたよ。でも、ヴァンパイアと人間が仲良く交流できる時代は終わった。ヴァンパイアをよく思わない人間が多くなってしまったんだ。ヴァンパイア達は己の身を守るために人間として暮らすようになった。あの時代から生きているヴァンパイアがいるかは私には分からないけどね。そして、ヴァンパイアと結ばれた人間の子孫の中でヴァンパイアの力が強い者だけが、ある日、血を見た事がきっかけでヴァンパイアになってしまうようになった。君は洗面所で転んで怪我をした時に血を見たね。その時にオッドアイになったはずだ。それが君がヴァンパイアだという証拠さ。君のご先祖はヴァンパイアと結ばれたんだね」 「ヴァンパイアだと人間としては暮らせないの・・?」 隼人は不安になった。 これまで人間として生きてきたのに、これからの自分の生活はどうなってしまうのだろうと。 将来の夢も何もかも叶わなくなってしまうのだろうか。 「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。ヴァンパイアといっても血を飲む事が必要になるだけであとは人間と変わらないよ。だけど、まれに血が苦手なヴァンパイアがいるみたいでね。君が血が苦手なヴァンパイアなのかは今の時点ではわからないから、一応血を飲む以外の方法を教えておくよ。方法は2つあるんだけどね・・」 「輸血のままで体調不良だと、隼人さんはどうなっちゃうんですか・・?」 舞は不安しかなかった。 「今すぐではないと思うけど、そんなに長くは生きられないだろうね・・」 隼人の話を聞いてそんな予感がしていた。 何か隼人を救える方法はないのだろうかと舞は考える。 「私にできることはないんですか・・?」 「1つだけ輸血以外の方法はあるんだけど、難しいお話でね・・」 舞は好きな人が助かるのなら何でもしたかった。 「教えてください・・!私は・・、隼人さんに生きていてほしいです・・!」 泣きそうな顔で舞が言う。 「それがね・・」 なぜか隼人はとても言いづらそうだった。 深呼吸を何回かしてようやく口を開く 「輸血は応急処置だけど、もう1つの方法は血を飲む事と同じ効果があるんだ・・。それは・・」 「それは・・?」 「キス・・」
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