2人が本棚に入れています
本棚に追加
本当の自分
隼人とキスをしてから初めての大学。
学校に来るのにこんなに緊張したことはない。
舞はドキドキしながら教室に向かう。
「舞ちゃん!おはよ!」
「隼人さん!」
舞の心臓は大変な事になっていた。
好きな人とキスをした。
それは舞にとって嬉しいことだが、キスのことを思い出すと想像以上に隼人の顔を見ることが緊張してしまう。
「おはようございます・・!」
「今日は午前で授業は終わりなんだよね?」
「はい・・。火曜日は基本的には午前で終わりです。隼人さんも同じなんですよね?」
「そうそう!同じだね!」
隼人がいつも以上にニコニコしながらそう言う。
「授業が終わったらさ、図書室に来てもらえるかな?」
「わかりました。図書室ですね・・!」
朝から隼人に会えて嬉しい舞だった。
図書室は舞と隼人が出会った思い出の場所である。
授業が終わり舞は隼人との約束である図書室に向かう。
相変わらず人がいない。
「舞ちゃん!」
図書室の人気のなさは悲しいが、今は隼人と2人だけなので人がいないことに感謝する舞だった。
「隼人さん!」
「ここで初めて舞ちゃんに会ったんだよね」
「懐かしいですね」
「舞ちゃんとの思い出の場所だからさ。ここで話したかったんだ」
「話したかった・・?」
隼人は真面目な表情で舞を見つめた。
「舞ちゃん、この間は本当にありがとう・・!俺は命の心配よりも舞ちゃんに嫌われちゃうんじゃないかって方が不安だった。でも、舞ちゃんは命の恩人になってくれた上にこうしていつもどおりに接してくれる。すごく嬉しいんだ!本当の俺を、ヴァンパイアとしての俺でも話してくれるなんて・・!」
「ヴァンパイアとか関係ないです!私は隼人さんとお話したいから話しています!それは今までもこれからも変わらないです・・!」
舞の言葉に隼人の瞳は潤んでいた。
「ありがとう、舞ちゃん・・」
最初のコメントを投稿しよう!