第1話 マッチングアプリ

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第1話 マッチングアプリ

「ここは、熱田神宮!? またかよ、また酒に酔って、 愛知に来てしまった。 俺の前世は 愛知を制覇した武士が何かか!? この前は長野の善光寺、 いくら俺が3つの宗教を 掛け持ちしてるからって、 こんなにトランス状態で 家出を繰り返してたら バチが当たる。」 そう語るのは ユウジ32才。 32才に転機が訪れると 某占い師に助言を 受けた男。 彼が某事務所の オーディションを 受け、タレント兼作家を 目指したのは、 もう15年も前の出来事。 時代は移り変わり、 よく聴いていた 浜崎あ◯みの曲は、 いまや懐かしの 平成の曲。 令和になり、 時代は変わるが、 彼の胸中は、 言わば中2病で、 何も変わっていない。 中学生の頃に味をしめた 家出を大人になっても 繰り返す毎日。 一人暮らしも 1年半で終了し、 親元でマッチングアプリを 操作する日々。 元関西◯◯という にわかに信じがたい 過去の栄光と、 少しの俳優経験を 自慢する悲しく 孤独な男。 神奈川からやって 来た捨て猫と暮らすが 決まった彼女はいない。 マッチングアプリでは、 建築現場を担当する レイナという年下女性と 出会い、京都水族館で デートするが、 東京で社長になるという 野望を捨て切れず、 話が噛み合わずに破局。 次なる出会いは、 マユという年上女性だが、 なんとマッチングアプリで 禁止されている 既婚者登録の女性だったのだ。 マユは泣いていた。 「ごめん、騙した。。 旦那いる。 今、裁判中、もうすぐ別れるから。」 そう言ったマユの 後部席でバイク移動していた ユウジだが、 バイクは転倒し、 数奇な運命に運ばれる事になる。
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