ラブホテルの隣室で

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 どうしてこんなことになったのか、皆目分からないが。  高校二年生の僕は、中学を卒業するまで数えるほどの女子としか口をきいたこともなかったのに、今、ラブホテルの中に、女子高生と二人でいる。  彼女の名前は、真崎(まさき)さんという。  僕たちはさっき、ほんの数分前に出会ったばかりだ。  僕は彼女と出会いがしらに、有無を言わさず、このホテルに連れ込まれてしまった。  真崎さんは、派手な見た目をしていた。勝手に想像して申し訳ないが、こういう場所についての知識が豊富そうに見えた。  僕の心臓は、急坂を駆け上がったかのように激しく鼓動している。  これから、とうとう、男子として戻れない道を進んでしまうことを想像して。  ていうか僕、全然何の用意もしてないけど、いいのか?  そういうのは、真崎さんがすべて準備してくれ、手順なども教えてくれるんだろうか?  そんなことを思い悩んでいる僕を尻目に、真崎さんは。 「聞こえねー。あー、聞こえねー。クソが。犯罪者が。この世から変態は一人残らず消してやる。手始めにこのエロオヤジからだ」  低い声でそんなことを呟きながら、隣の部屋との間の壁に、ぴったりと耳を押し当てていた。
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