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昼休みが終わって、実験室の机に座る。
ドッと力が抜けた。
はぁ…ヤバかった。
動揺したの、悟られなかったか。
紺野があの小説サイトを見ていたのが見えて、嬉しくなってつい声をかけた。
まわりで話せる人がいなかったから。
まさか。
俺の作品が読まれているとは思わなかった。
意外、と言われたのは想定内だけど。
ガチガチの理系人間なわけじゃない。
高校生の頃に小説家に憧れ、そこから書いている。
中学から男子校だからリアルな恋愛経験は少ない。
だからこそロマンチックなことも考える。
理想の恋愛もある。
エッセイは頭を整理したい時に書いている。
‘いいね’やコメントはそれなりにもらっていてその度に嬉しいと思う。
だけどさっき紺野に夢中だと言われたのが一番嬉しかった。
それもあんな…恋に浮かされたような目で《会ってみたい》なんて。
‘機械人間’は自分だと言ってしまおうか。
恋愛小説なんか書いてるから、今まで誰にも言わずにやってきた。
紺野なら引かずに受け入れてくれるような気がする。
会ってみたいと思っている相手が近くにいたと喜んでくるだろうか。
しかし名前。
こんなことになるのなら‘機械人間’なんかじゃなくてもっとカッコいいのにしときゃ良かった。
紺野は本当に書いていないのかな。
アイツが俺の好きな月夜行さんだったら面白いのに。
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