11人が本棚に入れています
本棚に追加
あとがき
何とか最後まで書き切ることができた──。
これがエピローグを書き終えた今の、率直な思いです。正直、ほっとしています。
というのは、この作品が私個人で考えついたものではなく、雑魚ぴぃさん著『10年後の君へ』の番外編になっているからです。
雑魚ぴぃさんが夫の春彦視点、私が妻の真弓視点で書いた、ある夫婦の絆の物語です。
雑魚ぴぃさんの注文はいつも唐突です。
「こんなストーリーを思いついたから、妻目線で書いて!」
いやいや、少し誇張しています。くだんのセリフに至るまでのやり取りは、少なからずあります。でも、思いついたストーリーを聞いた私には、毎回新鮮なのです。
だって、2人の執筆ジャンルが全く異なるから──。
どこにでもある地味なヒューマンドラマしか書けない私に対して、異世界ファンタジーの名手である雑魚ぴぃさん。毎回「そう来たか!」と思わせるストーリーを提示してくれるんですよね。で、私はヒューマンドラマしか書けないにも関わらず、ほいほい乗ってしまう。
でも、自画自賛になりますが、これが意外にもしっくりくるんですよね。異世界ファンタジーとどこまでも平凡なヒューマンドラマの融合が。
それはどうしてだろうと考えました。そして考えついたんですね。
描くジャンルは異なっても、2人の感性がとても似ている。だからこそ、私は雑魚ぴぃさんの世界観にうまくはまることができるし、逆も受け入れてもらえるのではないかと。
それは、ネット小説という広い海の中で起こった、小さな渦のぶつかり合いかもしれません。でも、私はその渦に巻き込まれることができました。そして、そこからさらに大きな渦に発展していくことを祈って──。
またともに書ける日を楽しみにしております。
桜井 明日香
最初のコメントを投稿しよう!