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 薫風(くんぷう)が鼻先を掠めた。  竿(さお)を手にした宗次郎(そうじろう)は、畑の(あぜ)を慎重に歩く。  顔を上げると蒼天(そうてん)がやたら眩しい。夏が近いのだ。  笠の端についーと弧を描く(つばめ)が見えた。 a2330a61-092b-4ff0-a4d5-abd9540e2192
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