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 ある探偵に依頼が来る。重要な文書が敵国の大使の手に渡った。その文書はまだ国内にあるが、明日にも敵国へ運ばれることになっている。そうなれば戦争だ。なんとかして阻止してほしい。探偵は文書はどうやって運ばれるのか聞いた。大使が箱に入れて列車で運ぶ。それを聞いた探偵は箱に取っ手がついているかとたずね、また優秀な協力者がひとりいるといった。最後にわたしが捕まることになるが、配慮してくれと。  探偵は大使と同じ列車に乗りこむ。大使を見張るように秘密警察がわきを固めていた。探偵が同じボックス席に座る。たばこを取りだして火を探すしぐさを見せた。大使がよければ貸しましょうかといってくる。探偵は火を借りるふりをして、いすに置かれていた文書の入った箱を窓から投げすてた。探偵は秘密警察に取り押さえられる。地元の警察につきだされるだろう。大使は列車を止めるようにいい、線路のすみに落ちた箱を発見した。それを持ちかえる。しかし、それは探偵の仲間がすり替えた偽物だ。こうしてぶじに文書はあるべき場所へ戻った。  文書を取りもどすために偽物とすり替える話でした。なんでしょう、わりと単純な話でした。
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