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 ある弁護士、招待されたパーティで男性からふしぎな話を聞かされる。その男性は屋敷に住んでいて、となりに同じように広い屋敷があり、そこには男とその妻が住んでいた。はじめは仲がよかった男性と男だが、急に男が冷たくなる。さらには男性に脅迫状を送り、この土地から出ていけといわれる始末だ。腹が立った男性はたまたま森にいる男を刺し殺してしまった。動揺した男性は街へ出る。ホテルへ行くと、なんと男がいるではないか。世間話をして帰ったが、それ以来不気味で屋敷から引っ越したという。まるで意味がわからない。弁護士も同じ感想だった。  しかし、つぎの日、偶然にも男性の話に出ていた男から話を聞かされる。男性と同じように話は進んだ。ちがったのは男が男性と妻が浮気しているのではないかとうたがったことだ。男は妻を監視した。密会しているのはたしからしい。男は男性に脅迫状を送った。その日、男は仕事に出かけるふりをして家を出たあと、自宅へ帰った。自宅に妻のすがたがない。男性と会っているにちがいない。男は男性の屋敷を目指した。その途中の森で男は男性の死体を発見する。とんでもないことになったと自宅に帰る。妻の置手紙があった。家を出ていくという。ついでに雇っていた運転手はクビにしたと。なにが起こっているのか。さっきのは夢ではないのかともう一度現場へ行く。すると、勝手に死体が埋葬されていた。恐怖にかられた男は街へ出る。ホテルにいくと死んだはずの男性がいるではないか。意味がわからない。男性と男はたがいがたがいの死体を見たというのだ。  そんな弁護士へ同僚がこんな話をしてきた。女をもてあそんでいる青年がいる。その青年がある女性に結婚を申しこんだ。しかし、青年の浮気は止まらない。女性は探偵に相談し、青年をつけさせた。青年は女とホテルに入った。探偵は出てくるのを待っていたが、ホテルからは女しか出てこない。女は運転手付きの車でホテルをあとにした。それ以来、青年はすがたを消した。  弁護士は真実にたどり着いた。青年はすでに死んでいる。青年の浮気相手の女は男の妻だった。そして、男性と男が見た死体は青年だったのである。  あらすじが長くなってしまいました。たがいがたがいの死体を見たと思った男性ふたりですが、じつはその死体はまったくの別人だったという話ですね。
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