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ある政治家の男性、資産家の女性と結婚した。しかし、その女性は結婚後まもなく死んでしまう。男性は女性の資産と所有していた屋敷を相続したのだが、その屋敷で男性は死んでしまった。自然死と判断されたが、それに疑問を持った男性の姪が探偵に調査を依頼した。男性が自然死でないとすれば毒殺の可能性が高い。男性が死んだ日は屋敷でパーティが開かれていた。出された食事について調査する。しかし、不審な点は見当たらない。屋敷には男性の母親が住んでいて、男性の友人が招待されていた。男性の母親は健康状態が悪く、いつ亡くなってもおかしくなかった。探偵が男性の部屋を調べる。机にチョコレートの箱が置かれていた。箱とふたの色があっていない。探偵はチョコレートに毒を仕込んだのだと直感する。男性の友人のひとりに男性に恨みを持つものがいた。そいつが薬局で毒になる薬を購入していないか聞いて回る。だが、得られたのは別の友人が薬を買ったということだった。その友人は持病を持っているから、薬を買うことに不自然はない。探偵は考えた。持病なら薬は相当量持ち歩いているはずだ。わざわざ買う必要はない。そこでさらに調べる。友人の薬が盗まれていたことがわかった。男性に恨みを持つ友人が盗んだにちがいない。探偵はその友人の家へ行き、ひそかに薬がないか調べた。はたして薬のびんはあった。これを姪へ報告しようとしたところで、男性の母親から呼びだされた。事件は解決したのかと聞かれる。探偵は調査の結果を報告した。それを聞いた男性の母親は、息子を殺したのはこのわたしだと自白する。男性は自らの妻を手にかけた。そんな息子を処分する責任が自分にはある。薬を盗んだのもわたしだし、使ったびんを友人の荷物に紛れこませたのもわたしだと母親はいった。探偵は見落としていたのだ。事件当夜屋敷にいた人物でチョコレートの箱とふたの色がちがうことに気づかない人間は健康状態のいちじるしく悪い母親しかいないと。結局、男性の母親は自白から一週間後に息を引きとった。
名探偵が推理ミスをした話でした。単純な動機と手口をむずかしく考えすぎたようです。
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