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 ある集まりがある。毎年メンバーで集まってその年のしきたりを実行するのが決まりだ。スカイダイビングをしたり、へびに会いに行ったり、今年はミサイルの格納庫ですごすことになった。メンバーのなかにある女性がいるのだが、彼女だけはどうにもしきたりになじめないでいた。ミサイル格納庫に集まったメンバーたちは幽霊を作りだそうとする。くじ引きで決まったひとりを幽霊だと思いこむのだ。そのひとりがその女性に決まった。女性がいなくなってみんなが彼女を幽霊だと思いこむように集中する。すると、屋内のはずなのに風が吹いたり、だれかのささやき声が聞こえたりした。だいぶ時間がたってメンバーが女性はぶじかといいだす。手分けして確かめに行く。メンバーの男性が女性を見つけた。彼女は幽霊みたいに蒼ざめてミサイルが格納されていたスペースのふちに立っており、男性が押すとそこへ落ちていった。男性がメンバーのもとに戻ると、そこに女性がいた。男性が見たのと同じように幽霊のような女性がいた。メンバーが寝るなか、女性は男性の部屋のドアに立っている。なんか言ってくれと男性がいうと、女性が「ばあ」という。  毎年しきたりを実行する変わった集団と、幽霊役になった女性の話でした。ラストあたりの女性は幽霊なのか気になるところですね。
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