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彼らは昼間「捜索」と称して瓦礫と化した街を歩きまわり、食料や水や燃料を探します。そしてその「貢献」ぶりに応じて配給を分配するという生活を構築していくのです。
その行動はまさしく「略奪」だったのですが、それが唯一彼らの生き延びる道だったのです。
生き残りをかけた厳しい選択が続く中、権力を握っていくヨンタクの行動は、次第に狂気をはらんだものになっていきます。
そして災害発生当時マンションの外にいた903号室に住む女子高校生ヘウォンが帰ってきたことから、とうとうある軋みが生まれるのです。
ヘウォンはミンソンの妻・ミョンファに告げます。「隣に住んでたおじさんは、あんな人じゃなかった」
じゃあ、あの人は誰なの……?
かねてからヨンタクの行動と、彼に傾倒して変わっていくミンソンに危険なものを感じていたミョンファは、ヘウォンと共に902号室に忍び込みます。
そこで、彼女たちが見たものは──。
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