最終話

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「マサル、そろそろ新しい曲の練習始めるか『かえるの合唱』とか『Happy birthday to you』も飽きてきただろ」 「ううん、今日はママの誕生日だから『はっぴーばーすでーとぅーゆー』をもっと練習してママに聴かせたいんだ。特別な日だから、夜ご飯もここで食べようねって約束した」 「そうだったのか、じゃあ完璧に仕上げるぞ」 「うん!」  練習を始めた二人を横目に見て、私は直人さんにあるお願いをした。直人さんは頷いて店を出る。  ギターを弾きながら歌えるように練習を頑張ったマサルくんは、今はカウンターで宿題をがんばっている。  おじいちゃんバンドのみなさんとのリハーサルのため、彼はステージの方へと移動した。  5時30分になり、私はドアに掛かった『Clause』のプレートを『Open』へとひっくり返した。  
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